本 紹介

あらすじ
「なあなあ」とは、この地方の方言で、「まあまあ」や「ほどほど」など、はっきりしない物事の状態や程度を表すときに使い、この地方の人たちはこの言葉を頻繁に使う。
高校卒業後の進路は決まっておらず、とりあえずフリーターとして過ごそう決めていた主人公 平野勇気
しかし、勇気に相談もなく、担任の先生と母親は林業へ就職することを決めた。何も知らない勇気は突然、三重県の山奥へ放り込まれる。都会っ子の勇気にはあまりに過酷な環境に脱走を試みる。
そこで出会う自然と共に生きてきた人々や神秘なる山を前に、勇気はどう変わっていくのか?
感想
読んでいくにつれて山の美しさ、偉大さ、それゆえの恐怖。移り行く山の神秘さを感じます。
都会っ子の勇気が、何もない山奥で暮らしていく絶望と不安。それをコミカルに描く描写が面白い!
林業仲間の【ノコ】という犬のために大の大人が真剣に芝居するシーンがあり、都会で犬を愛でる方法とは違う人の優しさが、犬を飼っている私にとっては胸に刺さりました。
大自然の厳しさとそれとは正反対に包み込んでくれる穏やかさが絶妙に描かれている文章に圧巻!!
意図しなかったことが動き出す
人生は「まさか」の連続!若い時はこの「まさか」に向き合える力がある!
もし今、好きなことやりたいことが見つからないなら
予定調和の日常から外れたら、見つかることがあるかもしれません!
若い世代に読んでもらいたい!そんな1冊です!!